ご近所さんの動物たち:家の中のクモ

家の中のクモは味方?ハシリグモ・アシダカグモなど「家グモ」の正体と役割を徹底解説
家の中で見かけるクモ。怖いと思われがちですが、実は私たちの暮らしを支える「益虫」でもあります。本記事では、ハシリグモやアシダカグモなど代表的な家グモの生態、役割、そして駆除すべきかどうかを分かりやすく解説します。
なぜ「家の中のクモ」は嫌われるのか?
家の隅をスッと動くクモに驚いたことはありませんか?多くの人がクモを「不快」「怖い」と感じるのは、実は見た目の印象が原因です。細長い脚、速い動き、突然の出現……これらは人間の本能的な警戒心を刺激します。
しかし、日本の家の中にいるクモのほとんどは毒を持たない無害な益虫。人を襲うことはなく、むしろ私たちの住まいを守ってくれる頼もしい存在なのです。
家の中のクモは「人間の味方」!その理由とは?
実は、家の中のクモの多くは人間の味方です。理由は簡単。彼らは「害虫を食べてくれる天然のハンター」だからです。
クモは肉食性で、ハエや蚊、チャタテムシ、ゴキブリなどを捕食します。つまり、私たちの生活空間を快適に保ってくれる“無償の害虫バスター”なのです。
特に有名なのがアシダカグモ。夜に活動し、ゴキブリを捕まえて食べることで知られています。「アシダカ軍曹」と呼ばれるほど頼もしい存在で、家のゴキブリを数週間で一掃してしまうこともあります。
クモは害虫を退治する「天然のハンター」
クモは完全な肉食性の昆虫捕食者です。巣を張るタイプ、張らないタイプとさまざまですが、どの種類も「人間に害をなす虫」を食べてくれます。
ハシリグモ:巣を張らずに走り回るハンター
床や壁を素早く走り回り、小バエやアリを捕らえます。巣を作らないため、見た目が清潔で、家の中の「パトロール役」と言える存在です。
ヒメグモ:小バエやダニを捕まえる巣の職人
家具の隅に小さな巣を作り、コバエやダニを捕食します。巣がほこりのように見えても、実は家の衛生を守っていることもあります。
アシダカグモ:ゴキブリ退治の達人
夜行性で、家の中を静かに移動しながらゴキブリを捕まえます。毒はなく、むしろ害虫の天敵。大きな見た目に反しておとなしく、人を襲うことはありません。
これらのクモがいる家は、実は害虫が少ない「健康的な家」。「クモがいる家は清潔」という言葉は、生態学的にも正しいのです。
家の中で見かける代表的なクモの種類
- ハシリグモ:床や壁を素早く走り回る。昼行性で観察しやすい。
- アシダカグモ:夜行性でゴキブリ退治の名人。大型だが無害。
- ヒメグモ:小さな巣を隅に張る。コバエ退治に効果的。
- ジョロウグモ:屋外の巣作り型。家の出入口付近で見かけることも。
種類を知ることで、クモが「怖い生き物」から「観察したくなる存在」へと変わるはずです。
「夜のクモは縁起がいい」って本当?迷信と生態の関係
昔から日本には「夜のクモを殺すな」「朝のクモは追い払え」という言い伝えがあります。これは単なる迷信ではなく、生活の知恵に根ざしています。
夜に出るクモは、蚊や小バエなど夜行性の虫を食べてくれる存在。江戸時代の文献には「夜蜘蛛は財を招く」とも書かれています。つまり、夜のクモは家を守る縁起の良い生き物とされてきたのです。
注意!駆除したほうがいいクモの種類と対処法
基本的に家グモは無害ですが、例外もあります。特に外来種や毒グモには注意が必要です。
- セアカゴケグモ:背中に赤い線がある外来種。メスは毒を持つため要注意。見つけたら触らずに自治体へ報告。
- クロゴケグモ:輸入貨物に混入することがある。黒光りした体と赤い模様が特徴。
また、クモの巣が大量に発生している場合は、家の中に餌となる虫が多いサイン。換気や掃除を行い、環境を改善しましょう。
クモと共に暮らすコツ|駆除せず上手に付き合う方法
クモを見つけたら、まずは観察してみましょう。害虫を食べてくれるクモを退治するのはもったいないことです。
- クモを無理に殺さず、そっと外へ逃がす
- 巣が気になるときは掃除で整える
- 外来種だけは写真などで見分ける習慣を
クモがいる家は、実は空気が通り、虫が少ない健康的な家。自然と共に生きる感覚を取り戻すきっかけにもなります。
まとめ:家グモは「不快な虫」ではなく「暮らしのパートナー」
家の中のクモは、実は人間の味方。ハシリグモ、アシダカグモ、ヒメグモなどはすべて害虫退治のプロです。
外来種を除けば、彼らは人に危害を与えることはありません。むしろ、私たちの暮らしを支えてくれているのです。
次にクモを見かけたら、怖がるよりも「ありがとう」と言ってあげてください。クモが静かに生きるその姿は、自然との共生を教えてくれる小さな先生なのです。

